講演会(シンポジウム)の概要:
本シンポジウムでは、デリダによるレヴィナス批判「暴力と形而上学」(初出・1964年)において論じられていた諸問題、すなわち「暴力」や「無限」、「他者」等の主題について、若手のデリダ研究者およびレヴィナス研究者三人を中心に議論を行なう。具体的には、(1)「倫理」や「厳命」といったデリダの概念がいかにして形成されたのか、(2)デリダおよびレヴィナスによる「暴力」概念の内実はどのようなものか、(3)「他者」ないし「無限」(限定=規定から身を引いてしまう者)と「暴力」の間にいかなる関係を設定しうるか、また設定すべきか、少なくとも以上三点が議論の争点となることが見込まれる。これらの論点についての提題者と特定質問者による発表ならびに相互間での討議の後、コメンテーターも加わっての総合的な議論を行ない、さらにオンラインでの参加者からの質疑の時間を設けることで、デリダとレヴィナス研究の専門家のみならず、広く多方面に開かれた議論が交わされることが期待される。