大学院文学研究科では、専門研究者の育成をめざして、ディプロマ・ポリシー(学位に関する方針)、カリキュラム・ポリシー(科目構成に関する規定)、アドミッション・ポリシー(入学に関する方針)の3つのポリシーを掲げています。

各専攻・分野では、下記の3つのポリシーを基本として、具体的にそれぞれのポリシーを定めています。詳しくは各専攻・分野のページをご覧ください。

修士課程

ディプロマ・ポリシー

大学院文学研究科では、課程修了時に学生が身につけるべき能力として以下のものを定め、学則に従って修了要件を満たした学生についてはこの能力を身につけた者と認め、修士の学位を与える。

  • 1. 専門とする分野において、研究領域全般に関する専門知識を身につけ、適切な研究方法とそれぞれの専門において必要となる諸言語を駆使して専門的な研究を展開し、その成果を母語や外国語で発表することができる。
  • 2. 専門とする分野における特定テーマに関して修士論文を執筆し、さらに、修士論文のテーマに関連する領域については包括的な専門知識を有し、その領域の研究に貢献をすることができる。
  • 3. 専門研究を通じて人間、文化、社会を考える力を持ち、重要な問題や課題を認識し、それを解決するための議論や実践に資する研究能力を有することで、高度なリテラシーと批判的分析能力を備えた研究者、教育者、実務家として社会に貢献できる。

カリキュラム・ポリシー

大学院文学研究科では、ディプロマ・ポリシーの達成を目的として以下のカリキュラムを編成する。

  • 1. 文学研究科全体のカリキュラムの基盤として、各専攻・分野において修士課程の全在学期間を通じて履修可能な、母語ならびに外国語による少人数演習科目を設置する。
  • 2. 修士論文の執筆を可能とするため、指導教員の個別論文指導と演習授業を通じ、研究テーマについての知識を深めるとともに、高度な研究能力および論述力を養う。また、修士論文中間報告会等の機会を設けて、複数の教員から指導を受ける機会を提供する。
  • 3. 修士論文審査については、論文題目および主査(原則として指導教員)および2名の副査(専任教員)で構成される審査団の文学研究科委員会による承認、審査団による論文審査、審査団および関連教員による口頭試問を経て、最終的な審査結果を文学研究科委員会で審議、承認する。
  • 4. 海外の大学院への正規留学によって取得した単位を修了要件に含めることを、単位数を限って認める。また、文学研究科独自の支援制度により留学を援助する。
  • 5. 海外への留学等を念頭において、より柔軟な履修を行えるように全ての科目は半期科目として開講する。
  • 6. 領域横断的な研究を可能とするために、慶應義塾大学大学院の他研究科および付属研究所の設置科目、さらに文学研究科と提携関係にある他大学院の設置科目を修了要件として履修することを、単位数を限って認める。

アドミッション・ポリシー

大学院文学研究科では、次のような資質を持つ学生を求めている。

  • 1. 卒業論文執筆や専門科目の履修等を通じて自身の専門領域についての理解を深め、専門とする領域全般についての基礎知識を有している。
  • 2. 大学院において何をどのような方法で研究したいのかという研究計画、あるいは専門的な知識やスキルの修得をキャリアにどのように活かせるかについて具体的な計画を自ら考え、まとめることができる。
  • 3. 諸言語の一次資料および二次資料を正確かつ批判的に読むことができる基礎的な読解力、学術的内容を的確に論じることができる基礎的な表現能力を身につけている。
  • 4. 修士課程修了後の研究者、教育者、実務家としてのキャリアについて、積極的に考えている。

後期博士課程

ディプロマ・ポリシー

大学院文学研究科では、課程修了時に学生が身につけるべき能力として以下のものを定め、学則に従って修了要件を満たし、博士論文審査に合格した学生についてはこの能力を身につけた者と認め、博士の学位を与える。

  • 1. 専門とする分野の研究を内容として博士論文を執筆し、その論文を通じて、当該領域の研究に独創的な寄与を成すことができる。
  • 2. 研究対象とする分野において、最新の研究動向や研究課題に精通し、包括的で深い専門知識を有し、母語や外国語で国際的に成果を発信してその分野の研究に独自の貢献ができる。
  • 3. 専門研究を通じて人間、文化、社会を深く洞察する力を持ち、重要な問題や課題を発見し、それを解決していくための高度な研究能力を有することで、高度なリテラシーと批判的分析能力を備えた研究者、教育者、実務家として社会に独自の貢献ができる。

カリキュラム・ポリシー

大学院文学研究科では、ディプロマ・ポリシーの達成を目的として以下のカリキュラムを編成する。

  • 1. 専門とする分野の研究に独創的な貢献をする博士論文の執筆を可能とするため、指導教員が担当する科目を中心とした履修を行うとともに、指導教員が中心となって個別に論文指導を行い、高度な研究能力を養う。
  • 2. 博士学位取得のためには、学生は専攻、分野が定めた博士論文執筆資格審査に合格し、博士論文を文学研究科委員会に提出して受理される必要がある。さらにその後1年以内に、文学研究科委員会で承認された主査および副査によって論文が審査され、文学研究科委員会に報告された審査報告に基づき、文学研究科委員全員の投票によって合格しなくてはならない。
  • 3. 専門とする領域において最新の研究動向や研究課題に精通し、独自の貢献をするために必要な高度な研究能力を養成するため、後期博士課程の全在学期間を通じて履修可能な母語や外国語による少人数演習科目を設置し、その履修を修了要件とする。研究成果を学会や学術専門誌で発表することを目的として具体的な指導を行う。
  • 4. 文学研究科ならびに慶應義塾大学国際センター等を通じての留学を推奨する。また、文学研究科独自の支援制度により留学を援助する。
  • 5. 海外への留学等を念頭において、より柔軟な履修を行えるように、全ての科目は半期科目として開講する。
  • 6. 研究分野のより専門的な研究を可能とするために、海外の大学院への正規留学によって取得した単位を修了要件に含めることを、単位数を限って認める。
  • 7. 後期博士課程の学生の高度に専門的な研究を推進するために、海外の著名な研究者に副指導教員としての指導を依頼し、文学研究科委員の指導教員との共同指導のかたちで博士論文を準備することができる。

アドミッション・ポリシー

大学院文学研究科では、次のような資質を持つ学生を求めている。

  • 1. 自分の研究領域および関連分野について、高度な専門的知識を有している。
  • 2. 修士課程における専門的研究をふまえて、博士論文につながる独創性のある具体的な研究計画を自ら考え、まとめることができる。
  • 3. 外国語の資料を正確かつ批判的に読むことができる分析的な読解力、学術的な論述力を身につけている。
  • 4. 後期博士課程修了後の研究者、教育者、実務家としてのキャリアについて、積極的かつ具体的に考えている。