大学院文学研究科の学生は、多様な学問領域に応じて、自ら課題を見出し、探究しています。そして、全員がその成果を論文としてまとめ、学位を取得することをめざしています。

学生紹介

  • 教育現場での実用を重視する研究の場

    呂 宜庭

    国文学専攻 日本語教育学分野
    修士課程2年(2018年度現在)

    大学(学部)の時に選んだ副専攻をきっかけに、私は日本語の世界に入りました。その時周りには日本語に興味を持っている友人も多くいましたが、日本語の難しさにより諦めた人がほとんどでした。そのため、教育学部で身につけた専門知識を活かし、より多くの人に受け入れられる教授法を研究したいと思い始め、大学院への進学を決めました。将来は効率的な教授法を使い、日本語を学ぶことの醍醐味を伝える日本語教師になりたいと思っています。

    私が所属している研究科の授業の大半は、修士1年の時に履修することになっていて、2年に進級すると研究に専念することができます。大学院の授業では、言語学の理論等の学習のみならず、教育現場でよく出る質問についても先生やクラスメートと一緒に探究します。その過程により、常に新しい問題点を発見でき、研究の楽しさが味わえます。また、慶應には別科へ日本語を学びに来た外国人留学生が多くいるため、彼らのチューターとして、実際に日本語学習者と向き合う機会があります。学習者を指導することを通して、日本語学習の難しさを理解するとともに、学習者に分かりやすい指導方法について考える、貴重な経験を積むことができます。

    日本語教育学分野は少人数で構成され、先生と学生の距離が近いです。研究について相談したい時は、先生からアドバイスをいただくこともできます。慶應は研究の環境が整っていて、自分のペースで研究を進めることができる理想的な場だと思います。

  • 挑戦するために最適な環境

    新居 達也

    英米文学専攻
    後期博士課程3年(2018年度現在)

    修士課程以来、私は15世紀英文学を研究しています。15世紀の文学はかつて英文学史の中で過度に軽視されてきました。近年、欧米でこの時代の英文学の見直しが行われるようになりましたが、日本においては未だ専門とする研究者の数が多くはありません。そのため、大学院に入るにあたり現在の研究対象を選択したことは私にとり一つの挑戦でした。その挑戦を可能にしてくれた一つの大きな要因は、慶應の環境にあったと考えています。

    慶應の大学院では、専門的かつ幅広い授業が開講されており、年に数回は海外の第一線で活躍する研究者を招聘した講演やセミナーが開かれているため、私のようにマイナーな分野を専攻する院生でも手厚く、レベルの高い指導を受けることができています。

    また、院生の層が厚いことも慶應の利点の一つであると言えます。院生による自主的な勉強会は毎月のように催され、学会発表や論文投稿などのアウトプットの機会に際しては院生間でのピアレヴューを行うことが慣例化しているなど、院生同士で切磋琢磨できる環境が作られています。

    私にとって、現在の研究課題に挑戦するにあたり慶應は最適な環境でした。これから大学院に進学し、それぞれの研究に挑戦してみたいと考えている皆さんにとっても、慶應は良い選択肢の一つになると確信しています。

  • 全力で学べる環境

    小出 智子

    仏文学専攻
    修士課程 2年(2017年度現在)

    ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を研究しております。13歳の時に、中高の演劇部が上演していたミュージカルを拝見したことが研究のきっかけです。マリユス・ポンメルシーを演じていらした先輩の男装姿が、私の初恋でした。その後原作を読み、更に多くの魅力を感じこの本の虜となりました。そして一生この本と生きていきたいと思い、研究者を目指し現在に至ります。

    学部時代は様々な分野の一般教養科目も履修しておりましたが、大学院ではほぼ全ての授業がフランス文学に関するものです。どの授業においても自身の研究と繋がる発見がございますので、毎日が非常に刺激的です。

    元は娯楽として楽しんでいた本に対し客観的な視点を持たなければならないことや、非常にハイレベルなフランス語のお授業を大変に感じることもございますが、自分が心からしたいと望んでいる研究を全力でできる環境にいられることは、本当に恵まれたことだと思います。

    文学研究は、数学のように綺麗に答えが出るものではありません。その分、疑問点を深めようと思えばいくらでも深められる面白さがあります。大学院で研究をさせていただくということは、その面白さを毎日実感することができるということだと思います。

  • 環境を最大限利用し、
    研究のリズムを見出す

    髙谷 遼平

    哲学・倫理学専攻 哲学分野
    博士課程 2年(2017年度現在)

    現在私は週に一度しか授業に出席していません。つまり、ほとんどの時間を自由に過ごしていることになります。大学院生、特に博士課程の学生は同じような生活をしている人も少なくないと思います。大学院での研究生活において、このような時間をどう使うのかが非常に重要です。

    多くの学生は、勉強会や学会発表、論文投稿などでリズムをつけています。例えば私は、時期によっても変わりますが、週三度の勉強会と数ヶ月に一度の学会発表を通して論文を少しずつ形にしています。しかし、勉強会や学会は最小限にしてひたすら知識を増やしたり、逆に多くの勉強会に参加して研究の糸口を探すといった方法もありうるでしょう。結局のところ、どう過ごすのかは人それぞれであり、試行錯誤しながら自分に合った生活リズムを見つける必要があるということです。

    ただ、研究生活に不安を感じた時は、迷わず周りを頼ってください。慶應は先生や先輩との距離が近いうえ、他大学との交流も非常に盛んです。もし求めるなら、様々な角度からアドバイスがもらえるはずです。どれだけ研究に打ち込めるのかは自分次第ですが、そのための方法は一つではありません。慶應は、皆さんに様々な選択肢を与えてくれる場、「研究生活をつくるための環境」が整っている場です。自分自身の研究のリズムを見出すために、慶應という環境に身を置いてみてはいかがでしょうか。

  • 日々の「気づき」

    ウエルズ ヤン

    史学専攻 西洋史学分野
    修士課程 2年(2016年度現在)

    私は19世紀のロシアの都市化について研究しています。広大なロシアという農業国家の歴史において大きな役割を果たした農村と共に、都市の果たした役割とは何だったのだろうという疑問を持ったことがこのテーマを選んだ動機でした。

    学部生のときは1917年のロシア10月革命をテーマとしており、現在取り組んでいることと一見全く異なることに関心を持っていました。しかし、学部生のときの取り組みに不足を感じ大学院に進学した後、さまざまな文献や人々と接することで今まで見えてこなかった歴史の多面性に気づき、よりミクロ的な視点からロシアの特性とその成り立ちを捉えなおしたいと思うようになりました。

    大学院に入ると周りの学生が少ない分、関わりを持つあらゆる人とそれぞれ濃い時間をすごすようになります。自分の研究と関連性がないと思えるような議論でも、思わぬところで自分の関心と結びついたり見えていなかったものが見えたり、大学院生活のすべてが自分の見識を豊かにしてくれます。その様な議論を経てもう一度自分のテーマと向き合ったとき、見えてくるものがそれ以前とでは大きく変わってきます。日々の生活の中で気づかされる物事の多さに大学院生活の醍醐味を私は感じています。

  • 「知」を探求できる環境

    栗田 くり菜

    独文学専攻
    後期博士課程 2年(2016年度現在)

    私は現在、博士課程に在籍して「現代ドイツの『移民文学』」を研究しています。「マイノリティ」であるトルコ移民が、どのように異国であるドイツでアイデンティティを形成しているのか、ドイツに住むトルコ移民が発表した文学作品を題材に検討を進めています。移民文学という「他者」の声を聞き読み解くプロセスは、今後の日本における移民についての議論でも少なからず役立つのではないかと考えています。

    大学院は、個人が自由に使える時間が多いというのが特徴ですが、だからこそ時間をどのように有意義に使うのかを考える必要があります。講義やゼミでは自発的な学習が求められますし、研究会や学会で多くの研究者と切磋琢磨をすることも重要です。また、研究年報等へ論文を掲載することもできるようになります。勿論、教授との距離もより近くなりますので、研究に迷ったときは教授から適切な指導を受けることが出来ます。

    私にとって大学院の大きな魅力の1つは、様々なバックグラウンドを持った仲間と議論したり研究したりできることです。私のように慶應で修士号を取得後、数年間民間企業で働き戻ってきた人もいますし、学部から直接進学した人、企業に働きながら通学する人、子育てが一段落して戻ってきた人など様々です。和気藹々とした雰囲気の中、ドイツ文学や文化に情熱を注ぐ仲間達と議論することは非常に刺激的で勉強になることばかりですし、この環境は慶應の大学院ならではないかと思います。

    大学院進学を検討されている方は、ぜひ慶應の門をたたいてみてください。皆さんと共に勉強できることを楽しみにしています。