講演会(シンポジウム)の概要:
本シンポジウムは、初期ベルクソン哲学において提起された時間論・空間論が自由の問題をその中心に伏在
させていた点をめぐって、気鋭のベルクソン研究者三人を中心に議論を行なう。
具体的には、
(1)第一の主著である『意識に直接与えられたものについての試論』で提示された「表現としての自由」と
いう構想は第二の主著『物質と記憶』においていかにして継承されたのか、(2)『物質と記憶』の知覚論と
(3)記憶論は、それぞれ、前著における「空間」や「時間」の理解をどのように発展させたものであるかと
いった問題が争点となる。
これらの論点について提題者間で発表・討議が行なわれた後、コメンテーターも参加して議論を現代自由論
の観点から一層深めることを試みる。その後さらに来場者からの質疑の時間を設けることで、ベルクソン研
究の専門家のみならず広く多方面に開かれた議論の場となることを期す。